シイノミカンアオイ(2023/12、静岡県)

年末にシイノミカンアオイの自生地を確認してきました。

 

シイノミカンアオイは情報源によって花期が3〜5月だったり7〜9月だったりと諸説あるようです。なので、いつの時期に咲くのかを確かめるために、シイノミカンアオイの自生地に7月後半に見に行ってみのですが、蕾も花後の姿も全くありませんでした。ということは、花期は9月以降で、冬にかけて花が残っているのだろうと推測しています。

 

今回の年末には、以前の年始と同様にいくつもの花を見ることができました。

 


f:id:koma26:20240205203423j:image

 


f:id:koma26:20240205205611j:image

 


f:id:koma26:20240205205654j:image

 


f:id:koma26:20240205205733j:image

 


f:id:koma26:20240205205808j:image

 


f:id:koma26:20240205205907j:image

 


f:id:koma26:20240205205941j:image

 


f:id:koma26:20240205210021j:image

 

年末年始の時期では、一部崩壊した花もありますが、蕾も見かけず、しっかり咲いている感じでした。やはり花期は秋なのかなぁと思いました。秋の時期に見に行ければと思いますが、その時期に見に行くのは当面難しそうです。

ミハマカンアオイ(2023/11、紀伊半島)

過去に探すも見つけられていなかったミハマカンアオイですが、今回見つけることができました(たぶん)。

 

ここは以前から探索候補と考えていたエリアですが、いざ行こうとすると直前で何故だか自信が無くなって実行できずにいました。今回、現地近くまで行ったものの朝の雲が厚く見えてテンションが下がり気味… だったのですが、何とか自分に言い聞かせて歩き始めました。

 

カンアオイの葉を見つけました。葉脈が結構はっきりしている感じで、アツミカンアオイでしょうか。花はありませんが、アツミカンアオイなら花はもうしばらく先ですね。
f:id:koma26:20231114082555j:image

 

このあたりはアツミカンアオイなのかな… と思いながらも進んでいくと、また小さなカンアオイの葉。近寄ってよく見ると、何と根元に小さな花を付けているではありませんか。

f:id:koma26:20231113213503j:image

 

この感じ、萼筒の開口部が小さく、口環も下がっているような姿、もしやミハマカンアオイでは?
f:id:koma26:20231113213722j:image

 

上から写すとこんな感じで、萼片の長さが萼筒の長さに比べて短く、萼筒が縦長です。萼片は平開していません。これらもミハマカンアオイの特徴と合致しています。
f:id:koma26:20231113213753j:image

 

昨年見つけたムロカンアオイと思われるものと比べて、全体的には少し大きく、萼片がより大きいと思います。

 

次に見つけた花は…

さっきのより大きいです。萼片の直径15mm、萼筒の幅10mm、萼筒の長さ13mm。


f:id:koma26:20231114131511j:image

 

口環とその周りのコントラストが特徴的です。先程のと色彩が結構違いますが、胴長で萼筒の開口部が小さいなどの特徴は同じです。
f:id:koma26:20231114203751j:image

 

葉は長さ6センチくらい。
f:id:koma26:20231114204328j:image

 

 

その後も、絶対数は多くありませんが、予想外に沢山の花を見ることができました。

 


f:id:koma26:20231114204443j:image

 


f:id:koma26:20231114204503j:image

 


f:id:koma26:20231114204641j:image

 


f:id:koma26:20231114204739j:image

 

秘密兵器にて超接写。
f:id:koma26:20231114204805j:image

 


f:id:koma26:20231114205050j:image

 

花期は9〜10月とも書かれていますが、11月中旬というのに蕾をいくつか見かけました。
f:id:koma26:20231114205126j:image

 

探す前は少しテンション低めでしたが、目的の花に会えて、結果的に非常に満足度の高い探索になりました。昨年見つけたムロカンアオイ(たぶん)の自生地でもそろそろ花が咲く頃と思うので、もう少ししたら見に行ってみようと思います。

 

ツチトリモチのその後(2023/11)

先日のツチトリモチ、きれいな個体はあったのですが、その後大きくなることが期待されていたので、頑張ってもう一度見に行ってみました。前回から18日経過しています。

 

しかしながら、前回と同じ個体はほとんど伸びていませんでした。

 

今回
f:id:koma26:20231117193250j:image

 

前回(18日前)

f:id:koma26:20231117193321j:image

 

今回
f:id:koma26:20231117193456j:image

 

前回(18日前)
f:id:koma26:20231117193522j:image

 

情報では10センチくらいにまでなるようですが、18日も経っているのに目に見える変化がなく、全くそんなに大きく生長する気がしません。

 

 

前回気付かなかった個体を見つけました。


f:id:koma26:20231117194040j:image

 

棍体のアップです。
f:id:koma26:20231117194312j:image

 

 

来シーズン以降、やる気があったらまた観察しようと思います。

 

 

オオママコナ(2023/10、紀伊半島)

先日のキノクニスズカケに続き、紀伊半島固有種のオオママコナを探しに行きました。

 

【オオママコナ】(大飯子菜、ハマウツボ科ママコナ属)

オオママコナは、ウバメガシに寄生する半寄生植物で、紀伊半島南部の限られた範囲に自生します。和歌山県RDBカテゴリで絶滅危惧IA類にの指定されています。

 

こんな場所に咲いていました。明るい林で、風に揺れています。
f:id:koma26:20231108072541j:image

 

オオママコナの花は、このように目立って長いです。長さ4センチくらいあります。
f:id:koma26:20231116221609j:image

 

姿は見えませんでしたが、突然、猿の群れが凄い音を立てて逃げていき、びっくりしました。

 

今日の一番大きな集団です。下から順に花を咲かせていくようで、まだしばらく花が咲きそうな感じでした。
f:id:koma26:20231116221924j:image

 

南紀はちょっと遠いですが、固有の植物も多くてなかなか魅力のある地域です。

 

 

ヒメヒゴタイ(2023/10、紀伊半島)

この時期も見たい花がいくつもあって、今はほぼ週に1日しかない貴重な機会、どこに行くか、とても迷います。

 

久し振りにヒメヒゴタイを見たくなり、早朝から現地に向かいました。

 

前回は5年ほど前だったでしょうか、それなりにあったヒメヒゴタイも、今回見つかった数はごく僅か。近くで鹿のフンを見ましたので、食害でしょうか。何とか見つかった花を撮影して楽しみました。

 

ポツンと1株。前はもっとあったのに…
f:id:koma26:20231031073622j:image

 

開花後の花と開花前の蕾が混ざっていて、ちょうどよいタイミングと思います。
f:id:koma26:20231031073839j:image

 

秘密兵器を使い、開花前の蕾を接写。ヒメヒゴタイは、総苞片に淡紫紅色の付属体が付いていて、どちらかといえば開花前の方が魅力的かもしれません。
f:id:koma26:20231031073722j:image

 

もう一つ、見逃していた花に気付きました。
f:id:koma26:20231031073753j:image

 

こちらの蕾も接写。
f:id:koma26:20231031073816j:image

 

花は楽しめましたが、ここでの自生は近いうちに消えてしまうのではという不安を抱きながら、この場を後にしました。残ってほしいものです。

ツチトリモチ(2023/10、紀伊半島)

昨年初めて観察したときには、早いものでも花序の半分くらいしか出ていませんでした。今年はある程度大きくなったものを見たいので、もう少し後の時期にと思っていましたが、生長のスピードも分かりません。今年は猛暑の影響でそもそも時期がずれいている可能性もあり、ちょっと悩みましたが、結局、2W以上経ってからの訪問となりました。

 

山の中を歩いて現地に着くと、濃い赤色が見えました。今年も咲いてくれたようです。でも、肉穂花序の一部だけが出ている状態ですね。

f:id:koma26:20231028094854j:image

 

見回すと、もう少し進んでいる個体がありました。
f:id:koma26:20231028121603j:image

 

さらに別の個体です。こちらの個体も、先に損傷がありますが肉穂花序は全て出ていて、この後は茎が更に延びていくのでしょうか。誘引物質を出しているのか、蟻が頻繁に花序の上を歩き回っていました。
f:id:koma26:20231028121834j:image

 

ツチトリモチは、赤い丸い部分が肉穂花序で、表面に小さく見えているブツブツは花そのものではなく小棍体というらしいです。花は小棍体の間にあり、黄色で小さいものだということですが… 損傷部分に黄色が見えますが、それが花なのでしょうか。何にしても、私の目には花のような形状は分かりません。
f:id:koma26:20231028122520j:image

 

拡大しても… よくわかりません。それに、この損傷の原因が何なのかも気になります。
f:id:koma26:20231028122528j:image

 

今回、寄生している木と同じ樹種があれば、そこにもあるかもしれないと思い、近くを探してみたら、やはりありました。


f:id:koma26:20231028214917j:image

 

お、結構いい状態?
f:id:koma26:20231030204540j:image

 

目立つ損傷がほとんどありません。良い株を見つけました!

この株は、赤茶色の根元に根塊がしっかり見えています。触ってみると表面は硬く、これを破って出てきたのでしょうか。ツチトリモチは多年草ですが、この根塊の色は年数に応じて黒っぽくなると推測されており、この色ならまだ若いのではないでしょうか。
f:id:koma26:20231030204619j:image

 

思ったほど大きくなっていませんでしたが、この奇怪な植物の観察をたっぷり楽しむことができました。

 

 

前回は気づかなかったのですが、今回、すぐ近くにカンアオイの葉を見つけました。キナンカンアオイのようです。思わぬ収穫でしたが、この日は予定通り、キナンカンアオイの自生地に向かうことにしました。

 


f:id:koma26:20231030205754j:image

アメリカネナシカズラ(2023/9、滋賀県)

草地で花を探していたら、細い糸のようなものが絡みついているのに気付きました。久々の、アメリネナシカズラです。

 

名前の通り、外来植物です。発芽時は地面からですが、その後、寄主に絡みつき、根は無くなります。寄主に寄生根を挿し、そこから栄養を摂ります。主にマメ科の植物に寄生するようですが、確かに、絡みついていたのはメドハギですね。

f:id:koma26:20231021085354j:image

 

似た仲間に在来種のネナシカズラ、マメダオシがあります。

ネナシカズラは、茎の太さが明らかに太いので間違えることはありません。

マメダオシはRDB環境省カテゴリで絶滅危惧IAに指定されている希少種ですが、アメリネナシカズラとの見分けは難しいようです。アメリネナシカズラは花弁が反り返るため雄しべが花冠から出ることが多いのに対し、マメダオシは花弁が反り返らず雄しべが花冠から出ません。また、アメリネナシカズラは雄しべの付け根に付属体がありますが、マメダオシにはないそうです。
f:id:koma26:20231028081920j:image

 

花のアップです。花弁が反り返って雄しべが花冠から出ていますね。付属体についてはよく分かりませんが、残念ながら、マメダオシではなさそうですね。
f:id:koma26:20231028083528j:image

 

こちらは、花の付け根に大きなコブがあります。これは何?
f:id:koma26:20231028083536j:image

 

そのうちマメダオシにも会ってみたいものですが、どこにあるのでしょうね。