昨年初めて観察したときには、早いものでも花序の半分くらいしか出ていませんでした。今年はある程度大きくなったものを見たいので、もう少し後の時期にと思っていましたが、生長のスピードも分かりません。今年は猛暑の影響でそもそも時期がずれいている可能性もあり、ちょっと悩みましたが、結局、2W以上経ってからの訪問となりました。
山の中を歩いて現地に着くと、濃い赤色が見えました。今年も咲いてくれたようです。でも、肉穂花序の一部だけが出ている状態ですね。
見回すと、もう少し進んでいる個体がありました。
さらに別の個体です。こちらの個体も、先に損傷がありますが肉穂花序は全て出ていて、この後は茎が更に延びていくのでしょうか。誘引物質を出しているのか、蟻が頻繁に花序の上を歩き回っていました。
ツチトリモチは、赤い丸い部分が肉穂花序で、表面に小さく見えているブツブツは花そのものではなく小棍体というらしいです。花は小棍体の間にあり、黄色で小さいものだということですが… 損傷部分に黄色が見えますが、それが花なのでしょうか。何にしても、私の目には花のような形状は分かりません。
拡大しても… よくわかりません。それに、この損傷の原因が何なのかも気になります。
今回、寄生している木と同じ樹種があれば、そこにもあるかもしれないと思い、近くを探してみたら、やはりありました。
お、結構いい状態?
目立つ損傷がほとんどありません。良い株を見つけました!
この株は、赤茶色の根元に根塊がしっかり見えています。触ってみると表面は硬く、これを破って出てきたのでしょうか。ツチトリモチは多年草ですが、この根塊の色は年数に応じて黒っぽくなると推測されており、この色ならまだ若いのではないでしょうか。
思ったほど大きくなっていませんでしたが、この奇怪な植物の観察をたっぷり楽しむことができました。
前回は気づかなかったのですが、今回、すぐ近くにカンアオイの葉を見つけました。キナンカンアオイのようです。思わぬ収穫でしたが、この日は予定通り、キナンカンアオイの自生地に向かうことにしました。