ムサシアブミ(2024/3、高知県)

家族で四国に旅行に行ってきました。今回の旅行は途中で幾つかのトラブルがあって、反省もあったり事後対応の必要なものもあるのですが、ここでは植物の話を。

 

トサコバイモ、モモイロカンアオイなどを観察できることを目論んでいましたが、目的は達成できず… まだ時期的に花も少ない中、ほぼ唯一と言って良い、ムサシアブミだけは沢山観察できました。

 

ムサシアブミは、テンナンショウの仲間で、テンナンショウの仲間自体が特異な形状をしていますが、ムサシアブミはその中で更に変わっています。

 


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【ムサシアブミ】(武蔵鐙、サトイモ科テンナンショウ属)

暖地の、主に海岸に近い林内に生えます。葉は3裂、3裂するのはテンナンショウ属ではムサシアブミとミツバテンナンショウのみ。ハンゲ属のオオハンゲの葉も似ています。花は仏炎苞の舷部が内側に巻き込まれ、手にグローブを付けてグーの形を作り、手首を前傾させたような形、でしょうか。この形状を、品質の良い鐙(馬に乗る際に足を置くための馬具)の代名詞だった武蔵鐙に擬えて付けた名前のようです。

 

こちらの地方では特に珍しいわけではなさそうですが、私の住んでいる地域では気軽に見ることはできません。

 

非常にグロテスクな姿です。
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3裂した小葉の先が針のように尖っています。
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舷部は内側に巻き込みますが、再度外側に巻いています。不思議な構造。
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仏炎苞の中に、白い棒状の花序の先端が見えます。仏炎苞を返して中を観察もできましたが、その姿からか触れませんでした。

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開花前の姿。大きくなる葉もコンパクトに収納されています。
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結構な大株がありました。グロテスクながらも、ついつい写してしまいます。
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今回は制約も大きいのでこれくらいですが、またこちらに来れる機会に期待したいと思います。